- 2005-04-08 (金) 0:52
- 1991年レポート
- 開催日時
- 平成3年9月25日(水) 14:00〜17:00
- 開催場所
- サントリー(株)東京支社
- 参加者
- 多田、佐藤、望月
討議内容
今回は、基本的には幸福についてということで討議したが、出席者が三人と少なかったために、幸福にまつわる一般論的なものとどめることにした。
アランの幸福論を基本に考えると、幸福の条件にはいくつかあるが、そのなかで基本的なものは、自分の身体について意識しないこと、また、持続性のある幸福感は、受動的な享楽からよりも、自らが何かに働きかける能動的な行為のなかから感じられるものでありそうだ。幸福な気持ちと、不幸な気持ちとが錯綜する現実にあって、幸福な生活を維持するためには、不幸と感じられるものを、幸福なものに転化する知恵を磨くことも大切であろう。
幸福になる基本的な要素は、健康であるとか、経済的に安定しているとかいったふうに、多くの人に共通しているのであろうが、それらは、日常生活においては、当り前な感覚として幸福を意識するだけの原動力にはなっていないのが普通である。そうした基本的な要素以外のものは、各人各様で異なっており、これこそ幸福というふうに一義的になかなか決定することは難しい。次の機会に、各人の幸福観と、先人の残した幸福観とを対比してさらに討議できればと考える。
次回の研究会は10月25日(火)を予定しているが、従来の形式からちょっとはなれた研究会を計画中であり、時間、場所等については追って連絡致します。
配布資料
- アランによる幸福と不幸の状態定義・幸福の5段階(多田)
- 先人の語る幸福論(望月)
- 私の「幸福論」(多田)
以上
- 新しい記事: 第10回 「幸福」
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