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第112回 「魂」

開催日時
平成18年12月1日(金) 14:00〜17:00
討議テーマ
開催場所
東京ウィメンズプラザ
参加者
塚田、土岐川、下山、松本、内田、小島、望月

討議内容

今回、小島さんが新たに参加してくれました。小島さんは、現在フリーで、新たな人生に向けて、色々と頑張っていらっしゃるお嬢様です。若い感性で、新鮮な息吹を吹き込んでくれることを期待しています。

今回は「魂」と題して議論した。魂という言葉で、我々が連想するのは、死、霊、肉体といったものであろうか。どこかしら、魂は、肉体とは別な何かのような感じを受ける。ただ、人が生きている時には、魂は肉体とともに、一体となって存在していて、人が死んだ時、魂が肉体から離れてくるために、その存在を時として見ることができると考えられている。

普段、我々は、魂を直接見ることはなかなかできないが、人の中には、それを見た経験のある人もいる。今回参加してくれたメンバーの一人も、その体験を持つ一人である。その人の話しによると、祖母の死の後、祖母が、はっきりとした形をして目の前に現れたのを見たという。それは、幻覚ではなく、確かに存在しているものとして見たとのこと。こうした事例は、これまで数多く報告されているし、実際そうしたものを見た経験があるから、魂のことが語られ、物語にもなっているのであろう。

魂という言葉は、時として、心と同じような意味で用いられることがある。私の魂とか、大和魂とか、武士の魂とかいった時に用いられる魂の意味は、心と重なり合ってくる。ただ、それが、単純に心そのものというのでもなく、肉体と係わりながら、肉体を動かし、心とも深くかかわっているもののように思える。

犬や猫といった動物に、人間と同じような魂が存在しているのかどうかは分からないが、ペットの墓を作ったり、魚や鳥の供養をする人間の営みを見ると、動物にも魚類や鳥類にも、魂を感じているのであろう。これに対して、植物に霊が宿るとは表現するが、魂があるとはほとんど表現しないのを見ると、そこに魂と霊の微妙な異なりが感じられる。

霊は、木、岩、地、山、川、といった自然の中にも感じられるものであるのに対して、魂は、そうした自然との係わりは薄いように思える。すなわち、霊は、森羅万象全ての中に秘められた共通する何かであるのに対して、魂は、より動物的、人間的な何かであるということであろう。それは、情緒や感性といったものと深く係わりがありそうだ。これらのことを考えると、人間の抱いているものには、肉体、魂、霊というものがあって、生きている時には、それらの三つのものが一体となって存在しているのに対して、死ぬ時には、それらがばらばらなものに分解されるということであろう。そして、肉体は、物質として時の流れとともに消え失せていくが、霊は、霊として、永遠に存在し続けている何かなのではなかろうか。それは、生命と直接係わったものであり、生命力を与えているものであるともいえる。霊は森羅万象の内に、生命の源として存在しているのに対して、魂は、その霊を基盤として生み出された動物や人間の個々体と深くかかわったものということであろう。

すなわち、霊は、森羅万象の生命の源と深く係わっているのに対して、魂は、五感を持つ肉体と深く係わり、個々の肉体に、霊と係わって生命力を仲介させている働きがあるということではないだろうか。だから、魂というのは、霊よりも肉体に密接に係わっていて、それだけ個としての特徴を秘めているのであろう。

TVや映画で、亡くなった人の心が、生きている人の心に乗り移るリインカネーションと係わったものが放映されているが、これらは、魂とかかわったものであろうか、それとも霊と係わったものであろうか。これまでの議論からすると、それは魂ということになってくる。霊は、森羅万象と深く係わってはいるが、個と直接係わることはない。これに対して、魂は、より肉体的、物質的であり、個と深くかかわる。だから、魂は、視覚的に見ることができるのに対して、霊は、視覚的にその存在をとらえることはできず、その存在が感じ取られるということであろう。

以上のことを考えると、魂は、個としての肉体とかかわったこころと深くかかわるのに対して、霊というのは、個を共通して貫く生命そのものであるということだ。そして、人間は、霊の上に、魂を背負い、魂の上に肉体を背負って、一個の人間として生きているのではないだろうか。すなわち、悠久な生命としての霊を基盤にして、その上に、肉体とかかわった魂が存在しているということであろう。だから、魂とは、悠久な生命と、有限な肉体とを取り持つ仲介的存在ということになろう。

魂と関連して、ソクラテスの魂、アインシュタインの魂など、その人の考えたことや生み出した理論といったものが、人々の記憶と係わって存在していることなどについても議論された。また、その記憶との係わりで、私と汝についても議論されたが、これらのテーマについては、またいつか機会を見て、じっくりと議論してみたいと思う。

次回の討議を平成19年2月2日(金)とした。     以 上

コメント:1

塚田啓一 06-12-22 (金) 0:27

望月さんのメールアドレスを知りたい。

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